間もなくチャイムが鳴り、芽衣が教室へと帰って来た。

「さーちー!!」

芽衣はあたしを見るなり抱き付いて来て、キャーキャーと言っていた。

「ちょ…っ、芽衣?」

こんなことしてたら、また生徒指導室に自動強制送還決定だよ…!!

「海と付き合うのっ」


え…?

ウミト、ツキアウノ。

嫌な予感がするのに、こんなに早く?
でも…芽衣が喜んでるもんね。
良いことなのに、あたし…。
ちゃんと祝わなきゃね?

「おめでとうーっ!!」


あたしは最高の笑顔で芽衣を抱き締める力を強くした。

「うん!一目惚れしてたんだって」

「すごいじゃん!でも、芽衣はちゃんと好き?ルックス目当てじゃない?」

「そんなんじゃないよ」

手がちぎれるんじゃないかってくらい芽衣は右手をブンブンと顔の前で振った。