100年分の恋の言葉

芽衣はスクッと椅子から立ち上がるとあたしの腕を鷲掴みにして引っ張った。

その衝動であたしはこけそうな勢いで芽衣に着いて行った。

隣のクラスのB組には、すぐに着いた。

ドアから芽衣はヒョコッと教室を覗いた。
「田中さんやん」

芽衣に気付いた原くんが駆け寄ってくる。

芽衣と話をする原くんを茶化す人もいれば、芽衣が可愛い、と騒ぎ立てる人もいる。

そりゃね、これだけ可愛かったら。


今の芽衣は直哉や京介といる時の芽衣と違って控え目な可愛らしい姿で、いつもの豪快な笑い声じゃなく、可愛らしい声でクスクスと笑っている。

きっと、可愛いと有名、だからだ。

可愛らしい芽衣も好きだけど、もっと豪快な芽衣の方が好き。

「中野もおったん?」

意地悪そうな笑顔でクスクスと笑っている原くんを見て、不覚にも可愛いと思った。