【短】セント・ミステイク

しかし蜂谷の数m左を通った瞬間、その距離を一気に詰めて蜂谷が私の腕を掴んだ。


反動でカバンとチョコが再び床に落ちるが、拾っているヒマ等無い。


「お前……何泣いてんだよ」


「なっ…そんなの蜂谷に関係無いでしょう!離してよ!!」


慌てて掴まれている腕をブンブンと上下に振るけど、蜂谷は離してくれなかった。


嫌だ嫌だ嫌だ……


泣き顔見られるのも、さっきカワイイ先輩からチョコレート貰ってた蜂谷と会話するのも、全部嫌なのに………なんで離してくれないの!?


パニックレベルがどんどん上がって、涙が余計に止まらなくなる。