【短】セント・ミステイク

私の頭の中に、未渡しトリュフをどうするか様々なプランが浮かぶ。


自分で食べちゃってもいいのかもしれない……だけどそれでいいの?小町。


だってこのトリュフはアンタは誰の為に作った?――蜂谷 港の為でしょう?


それなのに朝からケンカして、1日避けまくって――――…カッコ悪いったらありゃしない。


“フラれても構わない”なんて、ウソっぱちじゃん。本当は蜂谷とつき合いたいクセに。


「蜂谷……」


ポツリとアイツの名前を呟くと、今日朝しか会話しなかった想い人の笑顔が浮かぶ。


「小町、帰らないの?」


「鷲森ーー?」