【短】セント・ミステイク

思いっきりフラれても構わない。きちんと“好き”と伝えたい。


ただそれだけの思いで一生懸命トリュフを作ったのに、朝っぱらからケンカしちゃうなんて――――…最悪だ。


「小町?どうしたの?」


「ちょっとトイレ……」


それから私は蜂谷とケンカするのを恐れて、休み時間はなるべく教室にいない様にした。


本当はこんな事している場合じゃなくて、蜂谷に『話がある』って切り出すべきなんだと思う。


私がしている事は逃げている事と変わらない……そう分かっているのに、また朝みたいになりたくなくて、何かと理由をつけては放浪を繰り返す。