【短】セント・ミステイク

普段ならアホらしいと一蹴出来る考えも、今ならマジになりそうで笑えない。


「あっ、おはよう港」


「はよーー」


「!!」


頭を抱えていると蜂谷が登校して来て、慌ててチョコレートを机の中にしまった。


蜂谷はスタスタと自分の席に行き、カバンを置く。


「……へっ!?」


そのままイスに座るかと思いきや、なぜか私の方にやって来たのだった。


なっ、なんで!?なんで蜂谷こっちに来るの!?


「よっ、鷲森」


ワタワタパニックに陥る私の前で立ち止まり、ニッコリと微笑む蜂谷。


「えっ……おはようございます……」