負けた。
負けちゃった。
私はしばらくチョキをだしている手を見つめる。
『じゃあ図書委員は柚姫さんね』
そう言われて黒板に書かれた図書委員という文字の隣に「二宮柚姫」と私の名前がかかれた。
『最悪……』
なにが最悪かって?
そりゃあの地味な図書委員をやらなきゃいけないこと。
それと……
私は気に食わなそうに横をみる。
その視線に気づいたのか私に言った
『……よろしく』
男子のペアがこいつってこと。
こいつは山野りゅう。
見た目は軟弱そうなのに部活はテニス部。背も小さい方でこう言っちゃ失礼だけどクラスでどちらかというと下のほうだ。
しかも女子とまともに話しているところを見たことがない。男子とはふざけているのに……。女子が苦手なのだろうか。
勿論私とりゅうは同じクラスになってからたいしたことを話した事がない。
『……よろしくね』
一応挨拶をしておいた。
そしてりゅうが行った後ふぅっとため息をつく。
『なんでチョキなんかだしたかなぁ……』
クラスに図書委員をやりたい人なんて1人もいなかった。
まさかジャンケンがこんなに弱かったなんて……。
しかもペアがあんなやつ……。
『つまんなそー』
りゅうの事をあまり知らない私にとってこれからが嫌で仕方がなかった。

