ー信真side ー
俺は海崎信真。
俳優、歌手、モデルやってる。
女とかいつも顔ばっか。
俺の顔がそんなにいいか?
四六時中くっついてくるから、うざい。
あーあ、今日も校門には女子の群れ。
入学してから、一度もあっこから帰った事がない。
今日もあっこから帰るか。
俺は今日を出た。
そこにも女子の群れはいたけど、これぐらいだったら慣れた。
「こんにちは。皆気をつけて帰ってね」
「「「キャーーー」」」
お得意の営業スマイルで言うと、女達の黄色い声が響きわたる。
俺この声嫌いなんだよねー。
この間に帰るか。
昇降口にいって、靴を履き、走って校門と真逆の方向へ行く。
誰もいない裏庭。
フェンスにしゃがめば人一人通れるような穴が空いている。
入学式の時、裏庭にいたら見つけた。
誰かが開けたであろうその穴に俺はしゃがんで入った。
木の枝とか体に当たるけど、校門から帰るよりはましだ。
なんとかくぐったら、目の前の木に赤い風船がついていた。
子供が引っかけたのだろう。
だけど、子供は一人もいない。
てか、人一人もいない。
誰のだろう。
俺は風船をじっくり見た。
あっ、風船の先に何やら手紙らしき物がついている。
何だろう。
俺は風船から手紙を離し、手紙を読んだ。