サプライズパーティーをやった後、咲良ちゃんの病室では、片付けが行われていた。
その中に菜々美さんもいた。
「鈴華ちゃん、片付け手伝ってくれる?」
病室にいても暇なので、片付けを手伝うことにした。
「鈴華ちゃん、最近どう?病室にいるだけじゃ暇でしょ」
「暇ですけど、菜々美さんと話したり、本を読んだりしていると、時間は過ぎていきますよ」
「それでも、毎日同じ事やっているでしょ。だから、新しい何か始めたら?」
「何かあります?」
「それは、……えーっと…………うーん……まあ、何でも始める事が大切だよねー!」
あっ、ごまかした。
新しい事か。
「鈴華ちゃん、風船持っていっていいよ」
風船なんて、すぐしぼんじゃうと思うけど……
「病室、殺風景でしょ。だから、お部屋の模様替えに飾れば?」
確かに病室は殺風景だし、風船を飾るだけで、可愛くなりそう。
だけど、たくさんはいらないや。
「これだけもらいます」
私は近くにあった赤い風船をとった。