「じゃあ、私片付けてくるね」
菜々美さんは病室を出ていった。
ケーキ食べるの一番遅くなっちゃった。
だって、海崎君の食べたケーキを2人に見られながら食べてたら、誰だって緊張するよ。
しかも、菜々美さん出ていっちゃったし、海崎君と2人だけはちょっと心臓に悪い気が……。
「なぁ、さっき外出届出せるって言ったよな?」
「まぁ、そうですが……」
そうは言ったけど……。
「だったらさぁ、外行かないか?」
外、病院からはもう何年も出てないなぁ。
「今からでも取れるんでしょ?」
「まぁ、先生がいいと言えば……」
「鈴華は、スマホ持ってないんだよなぁ?じゃあ……」
海崎君はメモに何かを書き始めた。
「ここ、この時間に来いよ‼忘れるなよ!?じゃあ」
海崎君は病室を出ていってしまった。
これって、これって、デートの約束!?
どうしよう‼
「鈴華ちゃん。いやー、ケーキ美味しかったね‼」
菜々美さんが戻ってきた。
「菜々美さん!どうしよう‼」