ヤバ、何話せばいいんだろう。
あっちも何も話してこないし。
話すか……。
「えっと、初めまして。海崎 信真です」
「こんにちは。木森 鈴華です。あの、手紙ありがとうございます」
「いや、こっちこそ」
「あの、芸能人ですよね!?写真見た時びっくりしました。本当にかっこ良くて」
カッコいいって言われるのは、よくあるけど、なんかテレる。
「そうです、芸能人ですけど」
「私見たいな人があなたと手紙……しか会話なんて……」
自意識過剰か……。
「別に。悪くないよ。てか、むしろいいよ」
「本当に!?」
ヤバ、笑顔可愛い。
「なんで入院しているの?」
「小さい頃から体が弱くて、肺が悪いんです」
「そっか」
「スマホ!私持ってないんです。ごめんなさい」
「いや、謝る事じゃないし」
「入院している時必要じゃないから……」
そういう事か……。
「お仕事とか、大丈夫ですか?時間とか……」
やっべっ、気づかなかった。
「ゴメン、時間だわ。また今度」
俺は逃げるように病室を出た。
なんだろう、緊張した。
顔、赤くなってないよね!?
夏の暑さのせいだろう。