本当に手紙がきた。
あんまりくる自信がなかった。
だけど、嬉しい。
「鈴華ちゃん、手紙どんな内容だった?」
「うーん、秘密」
「鈴華ちゃんケチやなぁ~。幸せは皆に分け与えた方がいいのに~」
「菜々美さんは手紙が見たいだけでしょう」
「あちゃー。バレたかぁ~。だって、海崎 信真だよ!あの海崎 信真!!!あんなイケメンからの手紙だったら、自分宛てじゃなくても見たいよ!!」
菜々美さん、イケメン好きだもんなぁ~。いつもテレビで海崎 信真出ると信真君!!とか海崎様とか大声で叫んでるもん。
「なぁ~なぁ~。手紙見せてよ。」
「たぶん、同姓同名だと思いますよ」
「それでも、確認だけでも」
「このとおりや~」
菜々美さんは床に正座して、お願いのポーズをしている。
あー、やりにくい。
病室の外から他の看護士さん達が見てる。
「菜々美さん、顔を上げて下さい。見せてあげますから」
「本当に!?鈴華ちゃん、ありがとう」
菜々美さんがニカッと笑った。
あー、やっちゃった。
でも、菜々美さんスマイル見ちゃったもんねー。
あれ喰らったら許せちゃうもんねー。
「なになに?鈴華ちゃん年上じゃん!!まー、私からしたら、年下だけど……」
菜々美さん、手紙に食いついちゃってる。
「鈴華ちゃん急いで返事書かないと‼便箋だったら、ナースセンターにあるから。明日までに書いたら、私がポストに入れてきてあげるから」
菜々美さんは走って行ってしまった。
返事書かないと。