白い髪と金の瞳

「行ってきまーす。」

私はお母さんに声をかける。


この街に来て5年、私は今日から魔法高等学校の生徒だ。
中2の冬は成績が下がりに下がって大変だったけど、なんとか、この学校に合格できた。


私、カロリア・ルアーヌは、新しい制服を身にまとい、舗装された道を歩く。

「カロリア様がいなくなって、もう五年も経つのね…」

近所のおばさんがつぶやく。

もう五年…

電柱には、
〈カロリア・ルアーヌ様を見つけたものには、100万円をお譲りします。〉
と書いた紙が貼ってある。

いつ、見つかってしまうのか。
私は不安だった。

でも、みんなは白い髪と金の瞳しか見ていないらしく、名前も、カロン・ミルーケに変えているので、全く見つからない。

「そんなもんだよね…」

「何が??」

突然、後ろから声がした。

「ごめんごめん!驚かせちゃった??その制服、魔法高等学校の生徒だよね?」

顔が綺麗な男の人だ。

「そ、そうですけど…。」

「やっぱり!僕、ソラン・ユールっていうんだ!!よろしく!!!」

そう言って彼は、手を差し出す。
握手、という事だろう。

「あ、私は、カロン・ミルーケって言います。よろしくね。」

私は彼の手を握る。
いい人そうだな。


そう思っていた矢先、私は彼…ソランの次の言葉に、絶句する事になる。













「よろしくね。カロリアお嬢様。。」


彼はニコッと笑っていた。