「ったく、何でだよ。そんな特訓は俺だけでいいだろ?乃愛はいいだろ。」 柊兄の口癖だ。 毎回のように言っている。 「乃愛っ、大丈夫?」 お母さんが駆け寄って来て下っ端に救急車を呼ばせていた。 こんなお腹の傷平気なのに。 Tシャツからは赤い血が滲む。 加宮組には毎日救急車が来る。 それはあたしのためだけに、 他の組員には銃弾の練習なんてさせないから。