( 奏多 side ) ーーーーーーバタン ミユが出て行って、俺と美優だけがぽつんと残った。 自分の家の扉の閉まる音がこんなにも虚しく聞こえたのは初めて。 「……ちょっと奏多。どういうこと?」 イマイチ状況を把握しきれていない美優は、少し責めるような口調で俺にそう聞いてきた。 けど、今の俺はそれどころじゃない。 怒りと、虚しさと、焦りと。 頭の中でいろんな感情が交差して、自分の中でも何がどうなってるのか分からなかった。