佐伯くんが好き。 好きだからこそ、他の女の人と一緒にいて欲しくない。 そんな黒い独占欲のような感情が、私にそう決断させた。 「美優さん」 自分でも驚くくらいにはっきりした声で彼女の名前を呼ぶ。 「ん?」 ブラウンの髪を靡かせて振り向く彼女に、一瞬ドキッとした。 けど、ここで怯むわけにはいかない。