ふらふらとした様子で歩く彼は、どこからどう見ても酔っていて危なっかしい。
やっぱり飲み過ぎてたんだ。
「え、ちょっと…っ!」
躓いてよろけた佐伯くんを見て、咄嗟に彼の腕を掴んでしまった。
同時にお酒の混じったフゼアの香りが鼻をかすめる。
「ちょっと佐伯くん?大丈夫ですか?」
「んー?あー。大丈夫だって〜」
どう考えても大丈夫じゃない返答をしながら、彼はふらふらと居酒屋の外へ出ようとする。
「と、とりあえず私に捕まってください!外出たいんですよね?付き合いますから」
「お〜?やっさしーねー君」
なんだか最初に会った時とはだいぶ違う印象になってしまった彼に苦笑しながら、なんとか支えて居酒屋を出た。



