「その…名前のこと、なんでミユキって…?」
語尾がどんどん小さくなっていく自分の声が情けない。
恐る恐る聞けば、佐伯くんは「あぁ」なんて呑気に呟いた。
「だってミユの漢字って、ミユキとも読めるでしょ?」
「……へ」
本名がバレてしまっていたんではないか。そんな私のドキドキを、彼はサラッと覆してみせた。
「 "深い雪"って書いてミユでしょ?珍しいよね、普通はミユキって読むのに」
「……」
よかった。バレてない。
そう思うのに、どこか複雑なのはなんでだろうか。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…