真っ直ぐに佐伯くんだけを見つめて寄ってくる彼女…美優さん。 先月結婚式を挙げたと佐伯くんから聞いた。 佐伯くんもその結婚式に出席して、煮え切らない思いだったと。 その日の夜の彼は、あの日のようにやけ酒をしてふらふらになってたっけ。 それほどまでに想っている人が、今目の前に現れたんだ。 あろうことか、私とデートしている時に。 佐伯くんは今、何を考えているんだろう。 そんなこと、想像もできなかった。