一瞬、自分が呼ばれたのかと思ったけどそうじゃない。 扉の前に立っている1人の女性。 初めて見る彼女に、息を飲んだ。 スラリとした手足に、白い肌。 佐伯くんと同じブラウンの髪を靡かせて、こっちを向いてにこりと笑う。 ーーーーーーーーあぁ、この人が。 言われるまでもない。 「奏多っ!」 「美優、なんで…」 この人が、佐伯くんの想い人だ。