どちらからともなく手を握り、学校を出て歩き出す。




「今日さ、ミユが好きそうなカフェ見つけたからそこ行こうと思ってるんだけど、どう?」

「えっ、本当?行く!」


佐伯くんのその提案に、迷うことなく飛び付いた。


そのことにクスッとおかしそうに笑われたけど、そんなのいつものことだし気にしない。




彼が私のことを考えて選んでくれたお店だもん。


瞬時に食い付くのも仕方ないよね。






「あ、ついた。ここだよ」



ピタリと足が止まる。


佐伯くんの指差した方向に目を向ければ、木で出来たとってもおしゃれな外装のカフェが建ってあった。