「酔ってるのもあって、君が同じ名前だってわかったとき咄嗟だったんだ。最低だろ?失恋した女と会ったばかりの君を重ねようとしてたんだから」



「幻滅してくれていいよ」と言いながらも、佐伯くんが悲しそうな表情をしたのを私は見逃さなかった。





カッコいい男の人は、女遊びをする。



私の今まで思ってきたそのイメージは、彼によって破られたような気がした。





確かに、名前が同じというだけで他の人と付き合おうとしたことは最低と言ってしまえばそれまで。


でも、その裏では、一途に想い続けてきた一人の女の人の存在がある。