多分、自分が思ってる以上に、最後まで佐伯くんの好きな人になれなかったことが堪えてるんだ。 「…ごめんね、佐伯くん」 他に想い人がいてもいいからっていう私の我儘で振り回して。 それでも優しくしてくれてありがとう。 本当に幸せでした。 そのまま電話帳を開いて、私は【佐伯奏多】と書かれたそれを押した。 ーーーーーーRRRrr… 『もしもしっ ⁉︎ ミユ?今どこ?』 「佐伯くん…。ごめんね」 『え?何が?それより今ミユどこに…』 「私と、別れて、ください…」