愛してる、愛されてる

「まーた見てんの」


「うん、いつの間にか」


いつの間にか見ていて、いつの間にかせんちゃんで視界がいっぱいいっぱいになる。


亜紀ちゃんは、ちょっとあきれながら、私に言った。



「普通なら、見てるの?って言われたら見てないよ~!みたいな返しすると思うんだけど、すごい普通にあんたは見てるって言うよね」


「見てるんだもん」



「わかってるわよ」


見てたことに恥じらう時期はけっこう前に終わった。



彼を見ていることに恥じらいなんか感じない。


彼を見ていることが人にバレたってどうでもいい。