愛してる、愛されてる

私は、ため息をつき、せんちゃんの方を見ようとすると、声が聞こえてきた。


「盗み聞きなんて、いつからそんなことするような子になったの」


肩がギクッと震える。


「……気づいてたの?」


おそるおそる物陰から出てきた私を、せんちゃんは優しく笑って話した。


「春だから、気づくんだよ」


……あ、私と一緒だ。


胸が踊るような感覚って、きっとこのことだ。