愛してる、愛されてる

「…えっ」



気づいた時には、私は壁に追いやられていて、せんちゃんの顔が間近にあった。



「全然…大丈夫何かじゃねぇよ…!」



怒っている…はずなのに、苦しく悲しい声。



「わかってんの?
好きなやつの体に傷つけた方の気持ち」



「っ…だから、それは私の不注意で…」



「俺のせいでもあるんだよ!!」



私が反論しかけると、せんちゃんのキツい声が降りかかってきて、思わず肩をすくめる。



「春だけが悪いんじゃない…。
俺が、隠れんぼなんて言わなけりゃこんなことにはならなかった…。
俺は、もう……」



そこで、せんちゃんの言葉が止まった。



「せん…ちゃん……」