愛してる、愛されてる

そう言われ、思わず話すのをやめた。



「お前、亜紀のこと……好きなんだろ?」



「っ…!」



今まで誰にも言ってこなかったことを言われ、顔が赤くなるのが自分でも分かった。



「結局は、自分を優先してしまうものなんだよ…人間ってさ」



千莉は俺の頭をポンと叩き、また歩き出した。



俺は、少しの間、歩けずに立ち止まっていた。