愛してる、愛されてる

現国の授業が終わり、休み時間に入ると、せんちゃんはすぐに女の子たちに囲まれていた。


何となくふくれていると、ある1人の女の子がせんちゃんを呼び出すのが見えた。


「あれって、川島さんだよね」


上から急にふってきた声に、驚きながら私は答えた。


「亜紀ちゃん、いつ来たの?」


「んー、現国の最初らへんかな…
春が、千莉を見つめてる時くらい」


私の前の席の人のイスに座りながら言う。



西野亜紀(にしの あき)。


遅刻魔の亜紀ちゃんは、私の親友。