愛してる、愛されてる

「もう泣かないで。
千莉君、春と結婚したいんでしょう?
おばさん、男らしい人と春は結婚してくれないと嫌よ。だから、春と結婚したいならもう泣きやんで」


「………春………と?」



春と結婚、そう考えた瞬間に流れてきたのは



春の事故の場面だった。



「俺……、春と……結婚できません」



「え?
急にどうしたの?」



おばさんは、困ったように言った。



「もう、大切な人が…目の前でいなくなるのは………無理なんです」