「今年のチョコは、これでーす!」


じゃん、と取り出したるは昨日の晩、遅くまで頑張って作った手作りチョコ


あげる相手はもちろん、目の前で嫌そうな顔を隠さず披露しているこいつだ。



「…お前のチョコは毎年怖いんだよなー」

「お前のチョコはって言うけどさー、お前のチョコ以外貰ったことないじゃん」


「おまっ…そんなズバッとスパッと!おっそろしい女だなっ」



だって事実だし、そう言いながら腕を伸ばしてラッピングされたチョコを差し出す。


渋々といった様子であたしの手からこいつに渡っていった袋は開けられることなく、

机の上へと置かれた。