パァン...!



「...いった...。...あれ...星野?何してんの?」


俺が目を覚ますと、星野が荒い息をしながら
立っていた。



「何でもない...!亜紀さんが呼んでるから、
下行ってね!...それだけだから!」



星野は逃げるように、立ち去った。



「...何なんだ...?俺、何かしたのか...?」

うーん、覚えがない。


...母さんのとこ行かないとな。



「母さん、琉碧だけど。」



「入りなさい。」



部屋に入ると、星野もいた。



「やっと来たわね。とりあえず座りなさい。」




「...2人に話があってここに呼んだの。
実は、ずっと前から応募してた旅行券が
当たって... それが明日から1週間なの。」



(...まじか。)



「それでね、1週間、2人で暮らしてもらえないかしら...?」




「母さん、ちょっと待て。そんないきなり
言われても...」



「...いいですよ。」



「「え?」」



「だって、ずっと楽しみにしてたんですよね。
...私たちは大丈夫です。」



「蒼月ちゃんっ...!ありがとうっ!
お土産たくさん買ってくるからね!」



「はい。楽しみにしてますね。」



...やれやれ。