午後の授業が終わり、放課後。
担任に呼ばれた奏汰を下で待っていると、
「っ、離してください!」
女の悲痛な声が聞こえた。
(...何だ?)
気になって声のした方へ行ってみると、
男に腕を掴まれ、顔を歪める星野の姿が
あった。
その姿を見た瞬間、
「何してんの、こんなとこで。」
見知らぬ男と、星野の後ろに立って冷たく言い放った。
「誰、キミ。」
3年か。そりゃ、知らないよな。
「...清水くん...?何でここに...」
「─清水だって?あの、清水 琉碧か?」
「あれ、先輩、俺の名前、知ってるんだ。
それじゃ、話は早い。俺の彼女に手、出さないでくれる? ─とっとと、失せろ。」
「っ、分かったよ!」
そそくさと先輩は去っていった。
