「…優花」 夢でも見ているのか、呼ばれた名前。 恋の病ってあると思う、だってこんなに今苦しいし。 なんてバカなことを考えながらはあ、とため息を一つ。 あたしは彼を夢から目覚めさせる。 「ほら、起きて。そろそろ帰らないと」 「…んー、そうだな。帰ろうか、優花」 伸びをしながら言って気付いたみたいだ。 目をぱちくりさせて慌てたように両手を合わせて合掌をした。