「…ん……」

いつの間にか泣き疲れて寝落ちしていた
もちろん学校なんて気分じゃない

「桜、おはよう」

そう挨拶してくれるお姉ちゃんはもういない
当たり前だった日常が、こんなにも簡単に
崩れてしまうなんて…

携帯を開くと遼から新着メールがあった

「桜、今日は来れないよな。
無理するな、ゆっくり休め」

遼の優しさが身に染みる
遼の存在がせめてもの救いだ
でもいつまでも遼に迷惑はかけられない
早く立ち直らなくちゃ…
お姉ちゃんも私に前に進んで欲しいと思ってるから

「ピンポーン」

「…こんな早くから誰かな…」

こんな朝早くから来客…?

「はい…って…遼!?」
「来ちゃったー!!」
「学校は…!?」
「サボりに決まってんだろ、入れてよ」
「いいけど…」
「さんきゅー!!お邪魔しまーす!!」

「お茶でいいかな?」
「おう、お構いなく」

きっと遼は私を心配して来てくれたんだよね
なんだか申し訳ない

「遼、学校本当にいいの?」
「いいよ、それより桜が生きててよかった」
「そりゃ生きてるよ、手紙にも…」
「手紙?お姉さんからか?」
「うん…読む…?」
「俺が読んでいいのか?」
「うん、大丈夫、遼には読んで欲しい」

なんとなくだけど、遼には読んで欲しかった
遼には全てを知っていて欲しかった

遼は黙って静かにお姉ちゃんからの手紙を読んでくれた

「…なあ桜、俺と付き合わないか…?」
「…え…?」
「…嫌か…?」
「い、嫌じゃないよ!でもどうして…?」
「このお姉さんからの手紙を読んで思ったんだ
この間も言ったけど、俺の兄貴は事故で死んだ
家族を失った悲しさも辛さもよく分かる。だから、桜とその悲しみを背負って一緒に生きていきたい、お互いに支え合って生きていきたい、ダメか…?」
「遼…」

遼となら分かり合える気がする。

「私も遼と付き合いたい。遼の悲しみを
一緒に背負って行きたいよ」
「…桜…ありがとう。お姉さんの分も
頑張って生きないとな…今日からよろしくな」
「うん…!!こちらこそよろしくね」

今この瞬間、私と遼は恋人同士になった
正直私なんかが幸せになっていいのかなんて
分からない
でもお姉ちゃんの分も生きるって決めたから


お姉ちゃん、私幸せになってもいいかな??