「すいません!!端田咲の妹です!!」
「端田咲さんは2-301号室です」
病院に着き
急いでお姉ちゃんの病室に向かった
「ガラガラガラ」
「お姉ちゃん…!!」
「端田咲さんの妹さんですか?」
「はい…!!」
「残念ですが、先程息をお引き取りになりました…」
…え?今なんて……
お姉ちゃんが息を引き取った??
死んだ…??死んだ…??
「…は…?」
「…残念ですが…」
「医者でしょ!?治してよ!!あなた医者でしょ!?治すのが仕事でしょ!!ねえ!!!!」
「お姉さんの場合、運ばれた時点で手遅れでした…恐らく即死だったと考えられます」
どうしてお姉ちゃんが…
私は思わずその場から逃げ出した
お姉ちゃんが死んだなんて信じられない。
嘘だ…嘘だ…
私からたった1人の家族を奪わないでよ…
私何かした…??
お母さんもお父さんもいない中、お姉ちゃんと
力を合わせて一緒に生きてきた。
大切なお姉ちゃんを、大好きなお姉ちゃんを
どうして奪うの…??
もうどれだけ走ったんだろう…ここはどこ…
走り続けた末、脚が限界に達して倒れた
「…った…」
お姉ちゃんが死んでしまったら
これから私はどう生きていったらいいの…
その時、ふと浮かんだのは遼だった
まだ今日初めて話したクラスメイト
理由は分からないけど…遼にはなぜか
心を許せた
気づけば遼には電話をかける私がいた
「もしもし?桜か!?」
「うん…」
「どうした!?お姉さんは!?」
「…………」
「今どこだ」
「…分かんない…」
「近くに何がある!!」
「……キャバクラ…かな…」
「すぐ行く」
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「桜!!!!」
「…遼……」
「大丈夫…じゃないよな…」
「遼…お姉ちゃんが…お姉ちゃんが…」
「ゆっくりでいい、ゆっくりでいいから
思いっきり泣け、大丈夫だから」
「…ウッ…ウゥッ……なんでお姉ちゃん…
なんでお姉ちゃんが…お姉ちゃんが…」
「…………」
「お姉ちゃんがいないと…私…」
遼の腕を借りてひたすら泣いた
どれだけ泣いたかなんて覚えてない
ただただ泣き続けた
「…落ち着いたか…?」
「…遼、ありがとう…」
「一緒に病院に行こう、な?」
「…嫌…まだ信じられない、嫌だ…」
「なあ桜、俺兄貴がいたんだ。でも事故で死んだ。俺は兄貴が死んだ時、今の桜みたいに兄貴が死んだ事を受け止められなかったんだ、だから病院に行かなかった、でも最近思うんだ、あの時病院に行くべきだったって、桜には俺と同じように後悔して欲しくないんだよ…」
遼にはお兄さんがいたの?亡くなった?
遼は何を抱えているの?
何せ数時間前に初めて話したクラスメイト
遼の事、私は何も知らない…
「だから桜、行こう、行くべきだ」
「……分かった……」
「とりあえず病院へ急ごう」
「うん」
遼、ありがとう
