次の日
「お姉ちゃんおはよう、体調どう…?」
「うん、もう大体大丈夫だから、学校いくよ」
「本当?無理しないで休んだら?」
「うん、でも大丈夫だよ、ありがとう」
「そっか…」
かなり無理している気がするけど…
「桜、一緒に行こうか」
「うん!」
ーーーーーーーーーーーーーー
「お姉ちゃん本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ、じゃあ放課後にね」
お姉ちゃん無理してそうだな…
でも体調悪かったら保健室行くよね
大丈夫大丈夫
「ガラガラガラ」
……シーン……
いつも通り気にせず席に向かう
私と話してくれる人なんて一向に現れないけど
暴力を振るわれないだけマシだ
「ホームルーム始めます」
「今日の連絡は……」
あーサボろうかな…
今までサボった事なんてないけど…
「先生、保健室行って来ます」
「あら、体調悪いの?」
「はい、熱っぽいので」
「そう、行ってらっしゃい」
「ガラガラガラ」
んー初サボり…お姉ちゃんにバレたら
怒られるだろうなー…
でも何となく今日は授業に出る気がしなかった
「ガチャッ…」
「屋上でサボりなんて…マンガみたい…」
とにかくここでゆっくりしよう
はぁ静か……
「ガチャッ…」
「端田さん??」
「…えっ…誰…!?」
「誰ってひどいな…同じクラスの澤田遼」
澤田遼…澤田…うーん…分からない…
とりあえず分かった振りでも…
「あー澤田くん!!分かる分かるー!!」
「お前絶対わかってないだろ」
「バ…バレた…?」
「当たり前、目泳ぎすぎだから」
ああバレてたか…
「端田さんがサボり?珍しいね」
「サボりなんて初めて、なんか気分悪くて」
「そうなんだ、まあクラス居心地悪いしな」
今気付いたけど…
どうして澤田くん私と話してくれるんだろう
みんな私を無視するはずなのに…
「ね…ねえ、私と話さない方がいいと思うよ」
「え、何で??」
「だって私クラスの嫌われ者だし、私と話したら澤田くんまでいじめられちゃうよ」
「何だそんなことかよ、俺がお前と話したくて話してるんだから別にいいだろ」
「あ…ありがとう…でも…」
「あーもう!でもとかいらない!せっかく2人しかいないんだから、もっと楽しい話しようぜ!!端田さん彼氏は?」
えっいきなりその質問!?
「えっ、いないよ」
「いないの??可愛いのに」
「いや、このクラスの状況見ればわかるでしょ
この状況で彼氏いたら逆におかしい」
「でも他校とか」
「他校にもいないよ」
どうしてこんなに優しいんだろう
この学校で私に話しかけてくれる人なんて
絶対に居ないと思ってた
「そうなんだ…じゃあ桜って呼んでいいか?」
「別にいいよ」
「さんきゅ、じゃあ俺の事も、遼って呼んで」
「分かった、遼、よろしくね」
「…おうっ/////」
「でも教室では話しかけないで」
「…なんで?」
「なんでって…遼を巻き込みたくない」
「だから俺はお前と…」
「いいから、私が話しかけて欲しくない」
「…分かったよ…」
遼には申し訳ないけど
絶対に迷惑はかけたくない
2人の時にこうやって話し相手になってくれるだけで私には十分なんだ
「なあ、連絡先教えて?」
「あ、うん、いいよ」
「さんきゅー!いつでも連絡しろよどんな事でもいいから」
「ありがとう」
「キャアアアアアアアアアアアア」
え、何今の声…
「なあ、今の悲鳴なんだろうな」
「うん、只事じゃない悲鳴だったよね」
「ちょっと下、行ってみるか?」
「そうだね」
私と遼は下へ降りた、あれ…なんか胸騒ぎ…
嫌な予感がする…どうか当たりませんように…!!
下に降りると周りは野次馬たちが囲み
何が起こっているのか分からない状況だった
「何も見えねえな…」
「うん…でも…」
「…田!端田!!端田!!!!」
教師が必死に呼びかけている
は…端田…?私だけど…って…
もしかして…お姉ちゃん!?!?
「…ちょっと…ちょっとどいて!!!!」
私は野次馬を押し退けて無理やり前へ出た
するとそこには…
頭から血を流して倒れているお姉ちゃんがいた
「…何それ…ねえ!!お姉ちゃん!?何してるの!?お姉ちゃんってば!!お姉ちゃん!!ねえ!!」
「皆さんは教室に戻ってください」
野次馬たちはチラチラこちらを見ながら教室に
戻って行く
「ねえ!お姉ちゃん!何してるの!?起きてよ!お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!!」
「ほら、あなたも教室に戻りなさい」
「嫌!嫌だ!嫌アアアアお姉ちゃん!!!!」
「戻りなさい!!!!」
もはや周りの声など何も聞こえてこなかった
何が起きているのか全く状況が掴めない
ただお姉ちゃんが目の前で倒れている
この状況だけははっきりと分かった
「おい…!桜!」
野次馬が帰って、やっと状況が分かった遼が
駆け寄ってきた
「おい、桜どうした!!同じ苗字って事は
家族か!?」
「お姉ちゃん!お姉ちゃんだよ!!大事な家族!!私の…たった1人の家族だよ…!!」
その後お姉ちゃんは病院に運ばれた
すぐに着いて行きたかったが、教師に無理矢理止められてしまった。
私は急いで教室に戻って荷物を取った
「桜、教師には俺が上手く言っておく、
早く行け」
「ありがとう…」
私は急いで病院に向かった
どうして、どうしてお姉ちゃんが
お姉ちゃんに何が起きたの??
どうして…どうして…
