「けい...すけ、待って。」

止まらない行為。

嫌なんじゃない、ただ。

「私、初めてなの!」

静かな部屋に響く私の声。

言ってしまってから、恥ずかしさでどうにかなりそうだ。

「だから、あの。その...」
「つまり俺が初めて?」
「...そう。
だから、下手、かもしれない。」

かもしれない、じゃない。下手どころか何も分からない。

あるのは学生中に嫌でも身につけた役に立たない知識だけだ。