「一回しか言わないよ。
...美華、俺と結婚を前提に付き合ってください。」

嬉し涙は自然に流れ落ちた。

迷うことなんてない。
ただ、彼を好きでいて良いのだ。

「...はい。」

その言葉と同時に彼の私を抱き締める力が強くなった。

「ほんと、無理。」

そう言って彼の顔が目の前に来たと思ったら、唇が重ねられた。

え、待って、どういうこと。

恋愛初心者の私が、大人の階段を猛スピードでかけ上がっている。

ゆっくり離れた恵介の顔は、いつか見た照れたときの表情。

「やっと、手に入れた。」


私の大好きな目で微笑む恵介に、私もくすっと笑い返す。