「病気あるかもしれないから。ちゃんと行ってね。」

「何か今日の美華、変だな。」
「せっかく人がアドバイスしてあげてるのにそんな言い方する?」

「いや、仕事のことなんて話題にしたことなかったし。突然俺の身体を気使ってくれるし。」
「そうね、最後だからね。」

え、と彼の驚く顔が私の方へと向く。

「私がここに来るのも、恵介とこうやって話すのも。今日が最後なの。」
「...それは、何で?」

「お見合いするのよ。」
「それでも、結婚すると決まったわけじゃないんだろ?」
「ううん、もう決まってるの。」

「会う前から決めるのか?」
「そうよ。だって私の理想は親が認めた人、だもの。」