「このクラスを受け持つ市川裕次郎だ。これからよろしくな!」 


「はーい!」


名前からして厳しそうだが仕方なく挨拶した。


「今日はもう解散だ!帰っていいぞ!」


先生は一言言うとスタスタと教室を出て行ってしまった。


「一緒に親がいる体育館まで戻ろう!」


流星君は私に声をかけてくれた。


「うん。これから友達たくさんできるといいね!」


私は本音を言ったつもりだったが流星君は信じてくれなかった。


「友達なんていなくたっていいだろ。別に命に関わる訳じゃないんだし。」


ビックリしてしまった。流星君がこんなことを考えているなんて…。


「でも私には優しくしてくれたよね?友達本当はほしいんじゃないの?」


私の質問に流星君は答えないまま、体育館に着いてしまった。


「さっき話していた男の子はボーイフレンド?」


お母さんは気になるらしく、早速聞いてきた。しかも余分なボーイフレンドという言葉も混ぜて。


「そんなんじゃない。ただの友達。」


本当は嫌われてしまったかもしれないのだけれど。


「お腹空いたから帰ろう。」


そう言って私達家族は家に帰り始めた。