半分のキモチ

温泉の脱衣所へ向かう途中、フロントで旅館の人と話している宮本がいた。


最後なのにアイツには自由な時間もねーのかよ。


「風呂行かねーの?」
 

フロントに居る宮本に声をかけると視線だけ俺に向け「あっ、ちょっと夕飯と朝食の確認してて、」と早口で答えるとまた旅館の人と話始めた。

 
まぁ、そうだよな。
風呂なんて行ってられねーよな。
協力もしてねーのに余計なことか、
 

フロントからまた脱衣所へ行こうとすると「あっ、清水!」と宮本が俺を呼び止めた。


「あ?」

「ありがとう」

「は?」

「ううん。分かんないなら良いや……」

「……最後だからな」  

「え?」

「俺も笑ってたいから」


そう言って「夕飯にはビールもよろしく」と笑うと「出るわけないじゃん」と宮本も笑って答えた。