がやがや、わいわい……

沢山の人の話し声が聞こえる。

「すごい……初めて来た!街ってこんななんだー!」

街を歩くだけに

きゃっきゃと楽しそうに話すラズリを見ていると

心がほっこりしてくる。

「美味しいリンゴはいかがかなー!そこのカップル!いかが?」

急に指を差されて

おどろいて

あわててしまう。

「か、カップル?!ちっちがっ……「リンゴ2つ。」

あわてて誤解を解こうとすると

ラズリの話にわって入って

ルシフが、リンゴを注文した。





シャクシャクシャク……コクン。

「美味しい……」

1日中歩き回ったからだろう。

燃えるような夕日を背に

ラズリは、うつらうつらする目をこすりながら、

リンゴを食べる。

コテン。

ついに寝てしまった……

柔らかな草原の上で

気持ち良さそうに寝るラズリはまるで

「空から来た天使みたい」

(つい声に出してしまった!!だっ誰も聞いてないよな?!)

キョロキョロと辺りを見回し

誰もいないのを確かめると、ホッとした。

「はぁー……。宿屋まで、おぶっていくか……。」

ため息をつきながらも

少し幸せそうな顔をしたルシフが

夕方の道を

ラズリを背負って歩き出す。

「とんだお姫様だな…笑」