「はぁ……っ……はぁっ……」



やまない足音と共に、乱れた息の音だけがひびく。

(今、行くから……お願い!生きていて……。)

長く、綺麗な金色の髪を振り乱し、ひたすらはしる。

目に涙がたまって、前が見えなくなっても……。



愛する人を失いたくない。

その一心だった。