幼なじみと初恋〜2つの奇跡〜

教室に入るとまだ先生は来ていなくて、みんながやがやしてた。


「おはよーさくらー」


「あ、あみ!おはよ!」


「さくら?」


「…ん?」


「なんか元気なくない?」


「そ、そうかな?」


「うん。だって顔に出てるもん」


「ゔ…」


別に出したくて出してるわけじゃないんだけどな…。
そうとう分かりやすいみたい。
北城亜美は私の親友で、カンがすごくするどい。
当然隠し事なんてできなくて、ハルとのことも全部話してある。


「あんたねぇ…遥斗くんはいろんな子から狙われてんだよ?早く告っちゃえばいいのに」


「そうだぞー」


後ろからあみの彼氏の結城くんが言う。


「で、でもさ、ハルだって好きな子とかいるかもしれないし…ね」


私がそう言うとあみからするどい指摘をうけた。


「遥斗くん、いろんなとこで告られてるらしいよ」


「やっぱ…?」


「でも、どんなに美人な子でもおっけーしたことないんだって」


「なんで?」


「あたしに聞かないでよ。ちゃんと自分で探さなきゃ、さくらのためになんないからね」


「うん…」


その日は1日中ハルのことが頭から離れなかった。