私は双海 雫。




今日、彼からLINEが届いた。




《ごめん、別れて。》




私は、いきなりの言葉に戸惑いながらも考えて、考えて。




必死になって。メールの文章を考えていた。




《どうして?》
《やだよ。》
《悲しい》
《とりあえず、話そう?》




文章を打っては送る前に消し、送る前には消し、の繰り返し。




私の中に《私も、別れたいと思ってたの。》という言葉は思いつかなかった。




手が震える。視界が霞む。目が熱くなる。




ぎゅっと感情を押さえ込んでふぅ、と一息。




とりあえず、深呼吸。




この日がいずれ来るだろうと、覚悟はしていたが、いざこの日がくると緊張と焦りが一気に蘇る。




私は、プライドが高いから、悲しいです。という気持ちがうまく表せない。




《うん、わかった。》




これが私が彼に導いた唯一の言葉だった。