そうぼやいた声は、跳ね返らずに消えた。 面倒くさそうな声が返ってくると思ったのに。 「バカじゃないの?」って。 「伊織?」 山びこに耳を傾けるみたいに、 黙りこんだ幼なじみをのぞきこむ。 すると、 「ちょ…今、こっち見ないで」 片手で顔を隠した伊織がいた。