振られたら気まずいから、告白は家に近づいてから。

言い訳を重ねていたら、あっという間に最寄り駅に着いてしまった。


歩きながら、ゆあの言葉が頭の中でくりかえされる。


『千夏ちゃん、いい?ハチマキ交換してください、だからね!』


好きな人とハチマキを交換すると、恋が叶う。

あたしの高校のジンクスらしい。


「…千夏?」


突然立ち止まったあたしに、伊織が振り向く。


「…何かあったの」