体育祭は無事終了。

できることなら、ハプニングの一つや二つ起こってほしかった。


…あたしの心の準備は終わってないよ!


係の仕事が終わってすぐ、伊織に声をかける。


「…伊織、もう帰る?」


伊織とは、自覚した日…つまり、予行日から話していない。

だから、三日ぶりの会話。


声がかすれるし、早口だし、パニックになりそう。


「うん、…一緒に帰ろう」


唯一の救いは、伊織が誘ってくれたことだった。

…まあ、あたしが告白から逃げられないってことなんだけど…