遠くの方で用具を運んでいる伊織を見る。


「あ…っ」


目が合ったような気がして高鳴った鼓動は、

すぐにそらされたことで、落ち込みに変わった。



あたしが悪かった。

こんなつもりじゃなかった。

だけど…だけどさあ…


ここまで避けることないじゃん!!



身勝手な怒りは、小さな針になって心に積もる。


一番深く刺さったのは、

伊織がまたあの女の子と仲良く話していること。


刺さった理由は、…わからない。