1人でぼーっと公園から見える信号の
点滅を眺めていた。

「あーれー?女の子が1人でなーにしてんのー?」
「1人じゃ危ないよ?俺達が楽しいとこ連れてってあげるよーいこ?」

何がそんなに楽しいんだろう...
ケラケラ笑いながら私を誘ってる、

そんなに楽しいの?

この苦しみから抜け出せるの?

怖くなんてなかった、
もうどうにでもなればいい。
そう思ってブランコから
立ち上がって付いていこうとした。

グイッ

「わっ...」
私の腕は誰かに思いっきり引っ張られた

「ちょっと、あんたらなにしてんの。うちの友達なんだけど?」

何がなんだかわからなかった...、
お、女の子?
フードを被っていてよくわからないけど
声が女の子だった...

でも、

私には友達なんかいない...、、
お父様の権力目当てで近寄ってくる人ばっかりで私には本当の友達なんかいなかった。

「はぁ?誰だよてめー」
「うち?西中のみさとだけどー?」
「え、西中!?..しかもみさとってお前...立花か!?」
「まじかよ!やっべ逃げるぞ」

え、なんでこのこの名前聞いただけで逃げるんだろう...。このみさとちゃんっていう子は
私に向かって二カッて笑って話し続けた

「大丈夫?なんかあったん...?」
「ううん、なんでもないの。あ、ありがとう」

私はフルフルと横に首を降って答えた。

「ねえ、うちお腹空いてるんだけどあそこのファミレス付き合ってよ!」
「え...?」
「いーじゃん!いこいこ!」

それから私は引っぱられてファミレスに入った。


「んで、話してみなよ。」
「え...」
「初めて会ったこんな奴に言いたくないかもしれんけど、何にも知らん奴だから言えることってあるんじゃない...?」

さっきも見た
二カッてした表情。心が温かくなって
今までのとこ、全部話してしまった、
ううん、話したかった。
頷いてくれる彼女に安心して、泣きながら
全部をさらけ出した。

「でね、さっき公園にいたの...。」

みさとちゃんのほうを見てみると泣いていた。
え、なんで泣いてるの...?
向かい合わせに座っていたとこから
バッと立って私の隣に来たと思ったら...

「つらかったね、アリス。大丈夫、大丈夫」

私は彼女の温かい胸の中にいた。
背中を擦りながら何度も、何度も

“大丈夫”

と声をかけてくれた。